
2004年カラバッシュ・フェスティバルより。
朗読会の合間に行われたアーニー・スミスのセッションで盛り上がる観客・アーチスト達。
毎年5月、最終週の週末は、ジャマイカ、セント・エリザベスのトレジャー・ビーチでカラバッシュ国際文学祭が行われている。
有名・新人気鋭作家による自著の朗読から、レゲエ・コンサートなど多彩な
プログラム構成。もちろん本の即売や食べ物の出店もある。(ちなみにレディ・ソウやタンヤ・スティーブンス、LKJ、ムタバルーカなどレゲエファンになじみの深いアーチストも過去に朗読している。ステージショーはロイド・パークス・ウィ・ザ・ピープルズ・バンドによる演奏でリロイ・シブルスやエロル・ダンクリーなども出演)
4月から出版セミナー、作家・詩人を目指す人向けのワークショップ、映画上映会などもキングストンで行われ、5月末のカラバッシュに向けて一連の
流れを作っており、
もちろん参加は全て無料。
ワークショップなど事前申し込みの必要なものもあるが、カラバッシュ・フェスティバルも入場無料だ。
もともとカラバッシュ・フェスティバルはキングストン出身、現在NY在住の人気作家、
コリン・チャナー氏の思いつきにより始まった。
「カリブの人口は600万人。その中から3人もノーベル文学賞を出し(V.S. ナイポール、デレク・ウォルコット、サン・ジョン・ペルス)、新人作家も数多く世界を舞台に活躍しているのだから、
自分達の国でアートの集いをやりたい。そこで作家同士交流を深めたり、新しい才能を見出したり、読者の声をじかにきいてみたい」
そんな思いが多くの共感を呼び、2001年の設立以来カラバッシュは成長し続けている。
カラバッシュ財団は非営利団体で、費用は全て参加者からの寄付、協力団体によってまかなわれているのも大きな特徴だ。
世界に名を馳せる作家達も、このときばかりは手弁当でジャマイカに駆けつけ(飛行機代はエア・ジャマイカによって提供されている)、
クリス・ブラックウェル、映画「ハーダー・ゼイ・カム」のヘンゼル一家の運営しているジェイクスに泊まる。
「お金がないから」という理由で興味のある人、才能ある新人の可能性をつぶさないよう、参加費は全て無料にし、交通の便や宿泊場所も
考えてホームページに紹介してある心配りも素晴らしい。
今のところカラバッシュ・フェスティバルはカリブ地域で唯一、最大の文学祭だが、小さい島の、小さい町で行われる小さなお祭りでもある。
町のひとたちは年1回のイベントを楽しみにし、ふだん本を読まない地元の老若男女も来場してファスティバルの雰囲気を楽しんでいる。
カラバッシュ期間中の宿は80%以上が1年前から予約で埋まり、ゲスト・ハウスは増加中。地元への経済効果も大きい。
カリブの人たちが自分達の生んだ才能に誇りを持ち、また自分達でその才能を開花させ、同時にマーケットを広げる。そして地域に還元する。
こういう草の根のイベントがどんどん大きくなっていく様を見るのは外国人であっても嬉しいものだし、
同時にうらやましさも感じる。
現在はカラバッシュ財団からオリジナルブランドの出版も行なわれており、カラバッシュのワークショップで才能を見出されたマーロン・ジェームズはそのままアカシック・ブックスと出版契約を交わし、処女作の
「ジョン・クロウズ・デビル」は英語圏作家賞にもノミネートされた。
まさにカラバッシュは才能ある人にとって奇跡の起こる場所。マイティ・ミュールズではこれからカラバッシュに向けてどんどん最新情報や過去のレポートを再掲載する予定なので、興味のある人は是非チェックして頂きたい。
カラバッシュ・フェスティバルの公式ホームページはこちら
2003年6月16日 MIGHTY MULES' BOOKSTORE
(2007年2月13日編集再掲載)