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Life of Jamaica

著者 Taylor A.さんは1999年ジャマイカに移住。
アイランド・インターナショナルに勤務するかたわら、『ボーン・フィ・デッド』 にカバー写真を提供して下さるなど、写真家としても活動中。



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 数年前夫と日本に里帰りをしたとき、夫はジャマイカ人としての誇りと母国に対する愛情、驚くほどの切なさを味わうことがありました。 たった2ヶ月ジャマイカから離れた夫は、事あるごとにジャマイカと日本を比較。 口から出る言葉は「ジャマイカは美しい国」ばかり。 「どうして君が自分の国を離れてジャマイカに来たのかよーく分かったよ」などと言うしまつ。 ジャマイカ人の素晴らしさを思い出すたび、日本人が冷酷に見えるようでしたが、言葉が通じないことからくるストレスを感じていたのも事実。 彼の目に映る日本を通じて、私も日本のこと新たな視点で考えさせられました。
 異文化人同士、分かり合えないことは話し合いから。 彼は街に出るたび私を質問攻めにし、時には派手に議論し、どうしても納得いかない彼にへきえきするわ、これもカルチャーギャップとあきらめて辛抱強く話をするしかありませんでした。ある日電車に乗った夫は車内をぐるりと見回したあと、「日本人が異様に見える」と私の耳元でささやきます。 「なぜみんな眠っているの?」  「なんで笑わないの?」 「なんで誰もおしゃべりしてないの?」
 ジャマイカで隣りどうしになった乗客がおしゃべりに花を咲かせることは当たり前。 立っている人の荷物を、座っている人が自分の膝の上に置いてあげる。「読み終わった新聞を読ませて欲しい」と言えば、こころよく差し出してくれます。 日本のサラリーマンの中にはわざと自分が読んでいるものを読ませないようにする人がいますが、そんな態度を取れば周囲から非難ごうごうの目にあうのがジャマイカ。 朝からバスの中で教会信者や伝道師が大きな声を張り上げて説教をしても、誰もとがめたりせず声高らかに「Yes Jesus!」と相槌を打つ。もしこれが日本ならどうでしょう。頭のおかしな人?とでも言わんばかりに嫌悪の目でみつめたり、誰も目さえ合わせないかもしれません。 宗教の違い、文化の違いでその国に住む人が持つ意識や常識が変わりますが、あまりにも日本とジャマイカはかけ離れています。






セント・エリザベス、ブラック・リヴァーと海が交差する橋
写真 (C) Taylor A.




 私は彼に説明することの難しさを実感しました。日本の社会がどれだけ厳しいか、 働くことで自分の生活を犠牲にしている人がどれだけいるか、彼に理解してもらうことなど到底できません。そして彼も理解出来ない。もどかしくてたまりません。 しかしこれが文化の壁であり、「理解出来なくても当然ではないか!」という考えに落ち着きました。 以降夫は日本や日本人の愚痴を言わなくなり、残りの休暇を吹っ切れたような清々しさで過ごしていました。

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